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幻想からの目覚めは、人に多くの衝撃を与えます。
あるはずのものが、ない。あるいは、ある。
あってほしいものが、見つかる。
あってほしいくないものが、見つかる。
起きてほしいことが、起こる。あるいは、起こらない。
起きてほしくないことが、起きない。あるいは、起こる。
実は、人は何がしかの「幻想現象」の中に生きているのですが、強烈な幻想現象から覚めた時、よかれ悪しかれ衝撃をうけます。
感情が動くだけならばいいのですが、そうした情動と人間の行動はリンクしています。
その結果、泥縄式にさまざまな物理行動・現象をひきおこしてしまいます。
そこで、人類が生み出してきたひとつの技が「安全保障」というアイデアです。
まず、安全保障、という日本語ですが、英語に直せば、security。国家に対して使われれば、国家安全保障、つまりNational securityという連語で使用されます。
国家安全保障を平たく言えば、「国家の独立や国民の生命・財産などに対して何らかの脅威が及ばぬよう手段を講じることで、安全な状態を保障すること」。国防と「ほぼ」同義語です。
この定義からすると、ウクライナ戦争前から大統領をつとめるゼレンスキー大統領は、ウクライナの国家安全保障政策上すでに歴史に残る大失敗した大統領といえます。この点は重要です。どんなにゼレンスキー大統領が勇ましい話をしようとも、アメリカのマスコミが彼を英雄視しようとも、国家安全保障の視点からすると最悪な人物だということです。
で、ちょっとわかりにくいのが、この保障ということばです。読んで字のごとく、障害のないように保つこと。わかりやすくいえば「転ばぬさきの杖」を保有すること。
ですから、「国家の独立や国民の生命・財産などに対して何らかの脅威が及ばぬよう手段」のこの手段は、多種多様です。ここは重要です。
というのも、たとえば国家安全保障であれば、安全保障=国防=自衛隊=軍事力という安易な連想ゲームがおきやすいからです。
そんな直線的思考ではないのです。
直線的思考が危険な理由のうちのひとつ、それは、そもそも、ものごとが成立するのには、さまざまな要素が絡み合い、決してわかりやすい一要素により成るわけではないからです。仏教用語でいえば、縁起の思想です。
ですから、「国家の独立や国民の生命・財産などに対して何らかの脅威が及ぶ」ことと何らかの事象が結び付かぬよう、常に、あらゆる関係性(縁起)を築いていく必要があるのです。
ウクライナ戦争でいえば、戦争が起きた時点で、それ以前の様々な政策を通して、ゼレンスキー大統領は安全保障政策に失敗したといえます。ですから、戦争勃発時点で国民は大統領辞職を促し、戦時内閣をあらたに組閣すべきだったでしょう。なぜなら、戦争を招いた政策を「複合的・総合的」に行ったのはゼレンスキー政権であり、その政権が戦時政権を継続して担えば戦争拡大がすすむのは火を見るより明らかだからです。戦火は、かかわる人すべてのそれまで描いていた未来を一瞬で幻想化してしまいます。
リーダーの資質として最重要なものは、目立つ成果ではありません。その集団に対する「安全保障」責任です。
常に修正可能なように、さまざまなシナリオを想定して、一つひとつの政策に埋め込む、あるいは対処しておく必要があります。
安全保障に関していえば、「独立や生命財産に対し」自らの任期のみならず、その後100年くらい何も起こらなければ成功なのです。
そして、ここが重要かつ問題なのですが、安全保障にかかわる人間は、うまくいけばいくほどその時点では評価されません。時として恨まれます。
しかも、安全保障をやるほうは大変です。ありとあらゆるシナリオを描き、そこに対してコスト意識をもって対処しつづけなければならないからです。
この「コスト意識」は大切です。
なにせ、「何事も起こらない」ようにするわけですから、できるだけ目立たないように、最小限のコストで結果を出さねばならないのです。
難しいのは、この「結果への評価」。国家安全保障の結果とは「何事も起きない」のですから、なんだか禅問答のようです。
シミュレートにシミュレートを重ねる必要があります。
そして、いくらシミュレートしても、たいてい「想定外」のことがおきます。
ただし、想定外のことはおきますが、この、「安全保障シミュレート」をしておくと、想定外事象に対しても次のシミュレートができるので、大騒ぎせずにすみます。これが、復興、リライフにとって重要なことなのです。
よく、問題を次から次へと起こす人がいますが、多くの場合「安全保障シミュレート」不足な人です。
安全保障シミュレートをする人は「問題を提起する人」です。
安全保障シミュレートは若い頃から習慣にする必要があります。そして、成熟した社会におけるビジネスにおいては必須です。
この必要性は、個人でも国家でも同様です。
普段からの安全保障シミュレートが、リライフに重要だということがおわかりいただけれたら、次に進みます。
それでは、SEE YOU NEXT !!
2023年3月12日 13時34分